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国際博覧会:これまでの参加実績

ベルギーは、国際博覧会への参加に長い歴史を持っています。万国博覧会はもちろん、国際園芸博や専門博覧会にも積極的に参加してきました。また、これまでにベルギーが万国博覧会の開催国を務めたことも複数回あります。詳しくはこちらをご覧ください。

万博とベルギー

その歴史を振り返る

2025年大阪・関西万博をはじめとする国際博覧会への参加は、ベルギー全体はもちろん、各地域や自治体の認知度向上にもつながります。ベルギー館やベルギー庭園は、海外におけるベルギーの象徴であり、ベルギーへの関心を高め、観光客や投資家の誘致を目的としています。

BelExpoの近年の成功例としては、2020年ドバイ万博や2022年アルメーレで開催されたフロリアード国際園芸博が挙げられます。また、ベルギーはこれまでに数回、万国博覧会の開催国となった実績があり、その中でも特に有名なのが1958年のブリュッセル万博です。これらの博覧会において、BelExpoはベルギー館や庭園を経営し、ベルギー連邦政府および各地域政府・関連機関の国際的な代表として役割を果たしてきました。

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万博とベルギー

1897年 ブリュッセル万博

1897年のブリュッセル万博は、「モダンライフ(現代生活)」をテーマに、5月10日から11月8日まで開催されました。会場となったのは、1875年に軍事訓練場から美しい公園へと整備されたサンカントネール公園。その場所は万博開催に理想的なロケーションでした。

この博覧会には、26の国や民族、ベルギー各州、そしていくつものテーマ別ギャラリーが出展。ギャラリーでは、ボイラーや換気システムなど当時最先端の技術革新が紹介され、社会経済や衛生に関する展示も行われました。

ベルギー国内の主要都市もすべて独自のパビリオンを出展しました。首都であるブリュッセルパビリオンは、ゴシック様式で建てられ、マネケン・ピス(小便小僧)、ル・クラシュールやレ・トロワ・ピュセル噴水のレプリカが展示されていました。

この万博は、ベルギーの近代性を強く打ち出す場であると同時に、アール・ヌーヴォー運動の大きな節目にもなりました。万博の公式ポスターも、全体がアール・ヌーヴォー様式でデザインされました。

建築家ヴィクトール・オルタは、この万博のために「人間の情熱の神殿」(通称:オルタ・ランボー・パビリオン)を設計・建築しました。これはオルタにとって初のパビリオン建築であり、のちに彼はアール・ヌーヴォーの先駆者として知られる存在となります。現在でもサンカントネール公園内に残る唯一の万博建築物です。

1897年のブリュッセル万博は、新たな芸術様式を世界に広めるきっかけとなり、延べ600万人もの来場者を迎えました。またこの博覧会を通じて、鉄道や道路インフラの整備にも大きく進展しました。

万博とベルギー

1958年 ブリュッセル万博

1958年の万国博覧会は、ベルギーの首都ブリュッセルにて1958年4月17日から10月19日まで開催されました。会場となったヘーゼル地区は、現在も多くの施設がその地に残されています。

「科学文明とヒューマニズム」というテーマで開催されたこの博覧会の会場面積は約200ヘクタールにも及び、44の参加国と機関が参加し、4,200万人を超える来場者を迎えました。

ベルギーは、1948年5月7日に開催を申請し、1953年11月に正式に開催国に選出されました。これによりブリュッセルは前回の万博開催地である、ポルトープランスの後を継ぐ形となりました。

開催国として立候補する決断は、第二次世界大戦後の復興期に下されたものです。ベルギーはすでに博覧会開催の実績があり、特に1935年の万博での経済的成功が、その大きな後押しとなりました。

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当初は1955年の開催が予定されていた万国博覧会ですが、朝鮮戦争の影響により1958年に延期されました。開催国の決定も、1953年の休戦協定成立後にようやく下されました。

1958年の万博は、第二次世界大戦後に開催された初の「万国博覧会(World Expo)」であり、その象徴的な意味合いから、テーマには大きな意義が込められました。

テーマは「自由と進歩」。これは1950〜60年代を通して重視された核心的な価値観でもあります。開会式ではボードゥアン国王が出席し、平和と社会的・経済的発展への願いを込めて開幕を宣言しました。

万博とベルギー

1970年 大阪万博

1970年大阪万博は、日本およびアジアで初めて開催された万国博覧会でした。テーマは「人類の進歩と調和」。77か国が参加し、来場者は6,400万人を超える記録的な成果を残しました。この記録は、2010年の上海万博まで破られることはありませんでした。

冷戦と第二次世界大戦の余波が残る中、経済復興と急成長を遂げていた日本で開催された万博の目的は、技術文明の世界的な進歩を通じて平和を促進し、共通の基盤を築くことでした。同時に、環境破壊や貧困といった現代的な課題への取り組みにも期待されていました。

ベルギー館は東ゾーンに位置し、「あなた方と私たち」のテーマで出展されていました。展示では、友愛と平和の中でより良い人間関係を築こうと努力する、素朴で人間的あふれるベルギーの姿を描いていました。

ベルギー館は、ベルギーの伝統的な建築様式と日本の建築様式が調和し、国土を表現する庭園が特徴的でした。

ベルギー館の内部は、ベルギーの産業や人々の日々の生活を紹介する「現在」、絵画、タペストリー、宝飾品などの伝統的な特産品を展示する「過去」、そしてテクノロジーの進化に焦点を当てた「未来」の3つのセクションに分かれていました。

ベルギー館は、ヒューマニズムが機械化を制御するというベルギーの理念が強調されていました。そして、ベルギーを代表するガストロノミー(美食文化)も展示に欠かせない要素でした。

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万博とベルギー

2005年 日本国際博覧会

2005年3月25日から9月25日まで、愛知県で開催された「愛・地球博」は、温室効果ガスの削減を目指す1997年の京都議定書を背景に、「自然の叡智」をテーマとして掲げました。来場者数は予想の1,500万人を大きく上回る、2,205万人を記録しました。

会場はテーマに沿って設計・建設され、徹底した環境アセスメントが実施されました。既存の森林や池をそのまま活用することで、建設区域が環境に与える影響を最小限に抑えました。

ベルギー館では、ファン・アイクから現代のデザイナーに至るまで、ベルギーの芸術家たちがいかに自然を見つめ、作品に取り入れてきたかが紹介されました。こうして生まれた作品は、当時の社会にも影響を与え、今日に至るまで高く評価されています。

芸術的なイマジネーションと最先端技術が融合した展示の一例として、「地域とコミュニティ」のコーナーでは、最新鋭の装置によってベルギーの映像が投影されました。また、子どもたちが楽しめる遊び場も併設されていました。

万博とベルギー

2010年 上海国際博覧会

上海万博は、2010年5月1日から10月31日まで開催され、「より良い都市、より良い生活」をテーマに上海の発展、大胆なプロジェクト、そして独自の生活様式を活かして実施されました。2010年には、世界人口の半数以上が都市に暮らすようになり、社会的共生、持続可能性、安全性、衛生、移動手段といった課題が浮かび上がっていました。2,300万人の都市人口を抱える上海は、こうした差し迫った課題への解決策を提示する理想的な開催地とされました。

万博史上最大の敷地面積(523ヘクタール)を誇った中国当局は、上海中心部の南浦大橋と盧浦大橋の間、黄浦江の両岸に広がる地域の大規模な再開発に着手しました。

2010年上海万博は、その規模のみならず、国際的な参加数と来場者数においても記録を更新しました。合計246の国と国際機関が参加し、6ヶ月間の開催期間中に7,300万人以上の来場者が会場を訪れました。

ベルギー館は、コニックス・アーキテクツ(Conix Architects)とJVリアリス(JV Realys)によって設計・建設されました。ベルギー館はベルギーの芸術的、科学的な豊かさと、ヨーロッパにおける中心的な立ち位置を象徴しています。

この脳細胞のような構造は、ベルギーがラテン・ゲルマン・アングロサクソンという3つの主要な文化系統の交差点として、ヨーロッパの重要な交流拠点であることを示唆しています。周辺諸国と密接に結びついてきたベルギーは、常に「均衡のとれた場所」として、国家的な利害を超えた共通の関心を持つ人々が集う場所となってきました。

© Conix Architects
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万博とベルギー

2012年 麗水(ヨス)国際博覧会

2012年麗水(ヨス)国際博覧会は「生きている海と沿岸」をテーマに、生命の源であり、生態系の調整役でもある海と沿岸の役割に焦点が当てられました。

海洋と沿岸は、地球環境を支配するネットワークを形成しており、その影響力の大きさは、すべての人々と国家が共有する運命を象徴しています。

しかし今日、これら2つの重要な生態系は深刻な危機に直面しています。沿岸部の継続的な開発、海洋資源の乱獲、そして汚染により、海と沿岸の健全性を保つ繊細なバランスが大きく揺らいでいます。

ベルギー館で、まず来場者を迎えるのは、ベルギー沿岸で毎年開催される小さなカーニバル。メリーゴーランドの脇を歩きながら、ベルギー名物であるダイヤモンドやチョコレートについて学び、豊かな文化の歴史に浸りました。

さらに、砂丘に揺れる草、美しい砂浜、そして荒々しい北海など、ベルギー沿岸の幻想的な風景がパノラマとして展示されました。

パビリオンは、3つのセクションに分かれており、ベルギーと海との関係を紹介するエリア、お土産物ショップ、グルメレストランで構成されていました。

万博とベルギー

2012年フェンロー国際園芸博覧会

2012年4月4日、ベアトリックス女王の臨席のもと開幕した2012年フェンロー国際園芸博覧会(2012年フロリアード)は、BIE(博覧会国際事務局)公認の6回目のフロリアードとして開催されました。

200万人以上の来場者を迎え、その約52%が海外からの来場者でした。「Be part of the theatre of nature; get closer to the quality of life(自然という舞台の一員に。より豊かな暮らしへ)」をテーマに開催され、自然とのふれあいや、生活の質を高めることがメッセージに込められました。

オランダ園芸協会は、来場者の体験を心に長く残るポジティブな思い出にしたいと考え、持続可能性の理念「ゆりかごからゆりかごまで」を採用しました。この革新的な考え方は、ドイツの化学者ミヒャエル・ブラウンガートとアメリカの建築家ウィリアム・マクドナーによって提唱され、資源の循環利用と再生可能性を重視したものです。

ベルギー館は、訪れる人々がひと息つける休憩スペースとして設計されました。観客こそが主役であるという発想のもと、シンプルなモノクローム空間に複数のビューポイントが設けられ、博覧会の景観を見渡せるようになっていました。

ベルギー館は芝生に囲まれ、調和をもたらす様々な植物が植えられていました。使用された素材もまた、持続可能な利用とリサイクルを重視して選ばれ、訪れる人々が様々な目的で集える空間づくりが目指されていました。

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万博とベルギー

2015年ミラノ国際博覧会

2015年、「地球に食料を、生命にエネルギーを」というテーマのもと、イタリア・ミラノで万博が開催されました。この万博では、食料生産、健康的な栄養、人口増加、廃棄物の削減、天然資源の効率的な活用といった、現代社会が抱える重要な課題に取り組みました。

メインテーマは最終的に「食の安全・保全・品質のための科学」、「農業・食料サプライチェーンにおけるイノベーション」、「農業と生物多様性のための技術」、「食育」、「食を通じたより良いライフスタイル」、「世界の文化と民族における食」、そして「食に関する連帯と協力」の7つのサブテーマに分けられました。

139の国と地域が、それぞれのパビリオンのデザインや展示内容を通じて、「持続可能な食」という万博のテーマを様々な形で表現しました。ベルギーもそのひとつであり、同国のパビリオンは、建築デザイン、持続可能な建設、代替的な食料生産手法が高く評価されました。

ナミュールを拠点とする建築家パトリック・ジェナールによって設計されたベルギー館は、都市の中心部において生物多様性を促進する革新的な都市計画コンセプトに基づいています。

ベルギー館は、「建築のデザインと素材」部門で特別賞を受賞。特に、太陽光発電ソーラーパネル、風力タービン、ヒートポンプ、下水処理などの再生可能エネルギーシステムが高く評価されました。また、都市における未来の食料生産方法として水耕栽培、アクアポニックス、昆虫食などを紹介した取り組みが「その他の特別な取り組み」部門でも賞を受けました。

ベルギー館のこれらの特徴は、エネルギー消費の抑制、水の管理、自然素材・リサイクル素材の活用という3つの柱を中心に展開され、建物全体の運営を支えました。この展示は、質の高い建築やデザイン、技術革新におけるベルギーのノウハウを世界に示す絶好の機会となりました。

ベルギー館は、建築から演出、食の提供に至るまで、すべての面で2015年ミラノ万博のテーマを体現しており、持続可能性・技術革新・ベルギーの国としてのアイデンティティを強く打ち出す場となりました。

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2019年 北京国際園芸博覧会

「緑の生活、より良い生活(Live Green, Live Better)」をテーマに開催された2019年北京国際園芸博覧会は、グリーンなライフスタイルを求める人々の共通の願いを軸に、人類が自然に適応し、自然を尊重し、そして自然と調和する方法を模索する場となりました。

万里の長城の麓、北京市延慶区を流れる貴水川沿いに位置し、会場の敷地面積は約503ヘクタールで、過去最大規模の園芸博覧会となりました。110の国と国際機関が参加したこの国際園芸博覧会は、2019年4月29日から10月7日まで開催され、934万人の来場者を迎えました。

ベルギー館の庭園は「Nicolas Godelet 戈建建築設計事務所」が設計を手がけ、ベルギーの田園風景を再現。芝生と木々に囲まれた丘の先には、柔らかな雲のような形をした建築物が立ち、シンメントリーなラインと曲線が調和するデザインが印象的です。この花々に囲まれた空間には、ベルギーの絵画や詩、彫刻といった芸術が展示されており、中央にはテーブルが置かれ、来場者がベルギーの特産品を楽しみながらひとときを過ごせるようになっていました。

「雲」のような建築は、ベルギー芸術と気候を象徴するものであり、人と自然とのつながり表現しています。

この「小さなベルギーの楽園」は、「Live Green, Live Better」の理念を体現し、自然への敬意と保護の大切さを訴えるとともに、環境に優しく経済的で持続可能なライフスタイルを促進する空間として設けられました。

「より良く生きる」ことを目指すため、環境保護や園芸の発展に関する研究・教育活動も行われ、世界各国の専門家が北京に集い、様々な意見を交わしました。

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万博とベルギー

2020年 ドバイ国際博覧会

中東・アフリカ・南アジア(MEASA)地域で初となる国際博覧会「2020年 ドバイ万博」は、"新しい世界をともに創る"という理念のもと、世界各地からの来場者を迎えました。国、国際機関、企業、教育機関など200を超える参加者によって、過去最大かつ最も多様性に富んだ万博が実現し、来場者に視覚的なインパクトと感動を与える182日間を提供しました。

当初は2020年10月20日から2021年4月10日まで開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により延期され、予定よりも1年遅れの2021年10月1日から2022年3月31日に開催されました。

開催地となったドバイは2013年11月27日、博覧会国際事務局(BIE)の投票により正式に選出されました。「心をつなぎ、未来を創る(Connecting Minds, Creating the Future)」をテーマに、半年間で約2,400万人の来場者を迎え、192の国と10の国際機関が同万博に参加しました。

2020年ドバイ万博は、「持続可能性」「機会」「モビリティ」の3つのサブテーマに分かれていました。ベルギー館はそのうちの「モビリティ」地区に設置されました。

パビリオンの設計はAssar ArchitectsとVincent Callebout Architecturesが共同で手がけ、建設はBESIX Groupが担当しました。テーマは「Smart and Green Belgium 2050」と題され。持続可能でスマートな未来のベルギーを象徴する展示が行われました。

ベルギー館は、無垢材を用いた力強いアーチ構造と、豊かに茂る植物による近未来的なデザインが融合したことから「グリーン・アーチ」とも呼ばれ、ベルギーの工業、技術、科学のノウハウを紹介しました。この建築は、「ラテン的ロマン主義」と「アングロサクソン的な技術的精密さ」が融合した”ベルギチュード(belgitude)”の精神を体現しています。

2020年ドバイ万博における、ベルギー館は持続可能な開発の模範となることを目指し設計されました。バイオベース素材や地質由来の素材を活用し、生物気候学に基づく設計や再生可能エネルギーの導入、生物多様性や自然環境の保全などが随所に取り入れられています。

建物は「モビリティ・ディストリクト」に位置し、ドバイの西から東に吹く偏西風の軸に沿って配置されており、”自然喚起と日陰効果を最大限に活かした大規模なアゴラ(公共広場)”が来場者に提供されました。建築は「橋のような構造」を採用し、2本の柱の間に巨大なダブルカーブのアーチをかけることで、地上階を広く開放し、一般の来場者が自由に通行・滞在できる空間となっています。

アゴラは、館内を通り抜けられる「近道」としても機能し、「モビリティ・ディストリクト」と「サステナビリティ・ディストリクト」を直接結ぶ動線を形成しています。パビリオン内では、「2050年スマート&グリーン・ディストリクト」というコンセプトのもと、未来のベルギーの風景が紹介されました。またベルギーフリッツやワッフル、チョコレートなど伝統的な料理が味わえる店舗や、ガストロノミーとビストロの要素を融合させた「ビストロノミック」レストランも併設され、現代のベルギー文化の魅力を幅広く発信しました。

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展示の見どころは4つ。

まず最初に、未来的なエスカレーターが来場者を「2050年のベルギーへの旅」へと誘い、未来ビジョンの世界に導きます。次に現れるのは、「Future Mobility Lab」。ベルギーの人気コミックヒーローたちが壁面を彩る中、ブリュッセル、フランダース、ワロンの3地域が、それぞれの低炭素・ソフトモビリティに向けた取り組みを紹介。国家レベルでの移動の未来に触れることができる空間です。

3つ目は、2050年の持続可能で強靭なベルギーのスカイラインをダイナミックに映し出す没入型ビデオ投影体験「メインショー」で来場者を未来の都市へと引き込みます。

そして最後の「ベルギー・モビリティ・ハブ」では、来場者自身が未来のベルギーの都市やエコロジーを意識した建築の中に身を置くような体験が可能に。老若男女、年齢を問わず楽しめる、ダイナミックな映像技術を使ったインタラクティブな展示となっていました。

展覧会の最後には、グルメレストラン「BeHappy」にて、ベルギーの名物料理を味わうことができ、食を通じてベルギー文化を体験できる場も提供されていました。

細長い橋のようなデザインで、ベルギー連邦とその地域のダイナミズムと多様な個性を表現すると同時に、「団結によってこそベルギーは強くなる」というメッセージを象徴しています。建物は再生可能エネルギーを活用した設計となっており、大規模な太陽光発電と太陽熱利用キャノピーによって、館内で使用する電力と温水を自給自足することが可能でした。

ヨーロッパの中心に位置するベルギーの国の気質=ベルギテュード(Belgitude)を体現する建築でもあります。それは、ラテン的な創造性やロマン主義の精神と、ゲルマン・アングロサクソン的な実用性や合理性を融合し、異なる価値観を調和させながらともに歩んでいくという姿勢を象徴しています。

万博とベルギー

2022年アルメーレ国際園芸博覧会

2017年よりBIEに認定された、2022年アルメーレ国際園芸博覧会(フロリアード)は、オランダで10年ごとに開催される国際園芸博覧会です。第7回目となる今回は、オランダ・アルメールにて2022年4月14日から10月9日まで開催されました。BelExpoもこの国際イベントに参加し、現地を訪れました。

今回のテーマは「Growing Green Cities」であり、都市と自然のつながりを強調するものでした。会場は、開催期間中に世界中の花や植物で彩られ、美しい庭園空間へと生まれ変わりました。

ベルギーも出展国の一つとして参加し、ベルギー庭園は、建築家ニコラ・ゴデレが設計、施工は請負業者のバート・ダウツェンベルグが担当しました。

最終日となる10月9日(日)、参加国のチームが招かれ、閉会式と表彰式が行われました。会場では特に優れた評価を得た庭園にはカテゴリーごとに賞が贈られました。

その中で、ベルギー庭園は「持続可能性に特化した特別賞(Special Award dedicated to Sustainability)」を受賞。持続可能性・エネルギー・生分解性素材という中核的なテーマを忠実に実現した点が、高く評価されました。

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主催者はベルギーの庭園を大絶賛。

「ベルギー庭園は、食用の植物や花々で彩られた空間です。パビリオンは小さいながらも、幾何学的で現代的、かつ遊び心あふれるデザインが施されており、設計の完成度は非常に高く、しかも持続可能性にも優れています。すべての素材は再利用可能または生分解性で構成されており、人の手を加えずとも自然に還る設計がなされています。たとえば、完全にリサイクル可能なクロスラミネート木材の使用や、中庭の壁やタイルに使われた、焼かずに圧縮した土の石材と、藻類由来のでんぷんを原料としたバイオプラスチックはその好例です。」

このようにして、ベルギーにとって2022年のフロリアードは大成功となりました。しかし残念ながら、主催者が200万人の来場者を想定していたにもかかわらず、最終的な来場者数はおよそ60万人にとどまりました。そのため、今回の開催が「最後のフロリアード」になる可能性があるとも言われています。

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